当たり前を手放さない

 当たり前だということを別にやらなくていいと思い始めると怖い。どんどん感覚が麻痺してくる。麻痺した感覚を他人に強要する。そんなベテランにはなりたくない。自分にとってめんどくさいこをやりたくないから、あれこれ理屈をつけて、やらない。口でどれほどうまいことをいっても、人として信用できない。

 人として信用できない人と働くって大変だ。特に、それが上司で、「自分が仕切っている」ことに快感を覚える権力欲をもった人物だとすると、なおさら大変だ。違和感をもち続けながら、同僚として、部下として働いていくしかない。精神的に疲れてしまう。

 人を変えることはなかなかむずかしい。マウンティングしてくる人を変えるのは、さらにむずかしい。それに労力を使うくらいならば、と思ってしまう。とにかくいまの自分にできることは、自分の中にある当たり前を手放さず、それに共感してくれる同僚と年度末まで踏ん張ることだ。