忙しいとは「こころをなくす」こと。多忙になると、たしかに「こころをなくす」時が増える。そして、その時、感情は生のままで噴出してしまう。その生の感情は抑えきることのない、他者に突き刺さる棘となる。それは、時として、他者を傷つける暴力となる。
だが、血というリアルさが突き刺す思いを思い正す契機になる。血によって、わたしは鎮まる。しかし、血が出るまでは、その生のこころを抑えきることができない。そして、その根底になるのが「こころの喪失」、つまりは多忙であるということだ。
多忙の中でも、心を鎮める瞬間をもつこと。そうするしか、怒りというわたしの暴力性を抑える手立てがないのだ。というより、時をつくること。時こそが、わたしを静かにする契機となる。多忙によって、わたしがこころを失い、そして、暴力装置のわたしとなる。疲れないわたしになること、それが暴力装置である、怒りのわたしとならない唯一の手立て。
疲れによって、とげとげしいわたしにならないこと。この感覚は、以前にももったはずだ。わたしは、鬼にもなれば、棘にもなる。だから、怖がられる。恐怖こそが、わたしの根底にある生の感情なのだ。それをいかに律するか。自律こそ、わたしのテーゼ。自律と自立。
地に足を付けた私になることが、律する私となる。自ら立ち、そして自ら律すこと。依存と恐怖。それが他者が私を避ける契機となる。あらためて、そういった過去を思い出し、そして、再認識させられる。その契機こそが、血というリアルだったのだ。地に足をつけよう。根を張ること。翼ではなく、まず根を張ることなのだ。
根を張り、深く深くぐっと思いを抑えること。昇華ではなく、沈下させること。深く、静かに息をしよう。息を整えよう。生きることを忘れないこと。わたしが生きるように、他者も生きるのだ。活かしきること、わたしの仕事。けして、切ることがわたしの仕事ではないはずだ。原点を思い起こされるそんな日だ。
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昨年のがっちりを見てから、マクドナルドの原田社長に注目している。3つのことがなるほどと思った。ひとつは「プレゼンを想定することで、戦略的に考えられる」。ふたつめは「健康管理こそが大事な能力。三つ目は「ビジネスマンにとって大事なのが学習能力」であるということだ。学習し、より戦略的に思考し、実現していくことが大事であり、そのためには健康というエンジンがなくてはダメなのだ。
[11 読了83]- 作者: 古市幸雄
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30代について考える。それは不安の裏返し。