対話の意味

 最近、対話という言葉を耳にする。対話という語句を使用するとき、私たちはなんらかの意味をこめている。単なるおしゃべりとはちがう語り合いだという意識がある。

 どうちがうのか。それは変容があるか、ないかである。対話は自己の思考と行動に変容をもたらす。変容が契機としてないのならば、会話である。変容とは、気付きであったり、捉え直しであったり、新たなアイデアが生まれることである。

 対話を通じて、思考が活性化され、触発され、新たな気付きを生む。世界の見方が変わっていく。

 その中で自分の根が掘り返される。何故そう考えるのか、他者との違いをみつけることによって、根拠がつまびらかにされていく。それは、ゆらぎをもたらす。そのゆらぎが変容のスイッチとなる。

 対話というと心地よく聞こえる。しかし、その営みは、自らがさらけ出されるひりひりしたものである。それを忘れては、おしゃべりあって、変容なしである。