腹八分の理由

 暴飲暴食と呼ばれる生活をして気づいた。ストレスがあるときは、好きなものを食べたり、飲みたい酒をたらふく飲みたいことを求め、毎晩飲み歩く。

 ふと気づくのだ、酒や食べ物を消費していると。

 味わうのではなく、ただただ流し込む。食べるというよりは、モノを流し込むという快楽に浸っている。飲み過ぎて、食べすぎると感覚が麻痺する。美味しいという境界線をこえ、それを単なる消費するだけとなってしまう。

 なんだか、虚しい。食べること、飲むことは欲望を満たす行為ではあるが、それが際限なく虚しい行為になってしまう。美味しいものなはずなのに、ただ目の前のもの平らげるだけの対象となってしまう。つまり、流し込めればなんでも良くなってしまうのだ。

 腹八分とはよく言ったものだ。それは、健康だけではなく、程よく味わうための線引きなのである。