走り切った

 走って、走って、走り切った。そう自分で言える時間だったと思う。やはり、惜しまれて旅立つことが大事だ。そこを旅立つのが、惜しい、そう思われるくらいにやるべきだし、そうありたいと思ってきた。

 そう考えると、そのことは達成できたと思う。新天地に一体何が待っているのかはわからない。けれども、ここまではやり切った。とにかく、やれるだけのことはやった。

 もちろん、後悔はあるし、不満もあった。しかし、それはそれだ。後悔しても、時計の針はもとには戻らない。でも、やってきたことは間違いではなかったことは、今実感している。

 いろんな人にお疲れ様と言ってもらえる。餞別をいただける。そんな風にして、送り出してもらえるのは、自信になる。とにかく、やったんだ。やり切ったんだ。そうした達成感があふれてくる。

 やはり、一生懸命に、自己のためではなく、利他でやってきたことは間違いではなかったのだ。そう強く、思うのだ。