旅の目的

 今の自分が変わるかもしれない。そう思って旅に出る。その場所に行くということが目的ではない。

 結局、いつもの場所にいる限り、なかなかOFFすることができない。ならば、場所を意識的に変えるしかない。場所を意識的に移すことにより、今ある自分をOFFにすること、それが自分が旅する目的なのだと思う。旅という方法によって、スイッチを切るのだ。

 もちろん、旅をしている最中も頭の片隅に悩みが浮かんでは消える。こんなところに来ている場合なのではないのかという焦燥感や後悔を抱くこともある。しかし、旅先では、結局物理的に仕事をすることを不可能なので、まず物理的にOFFにすることができる。

 さらに、自分は旅先で「これは」と思う本を読む。ライフスタイルを見直す。その結果、今の自分が背負っていると思っていた「重荷」が軽くなる。劇的に変わるわけではない。ただ、旅によって「変容」を欲望する自分に出会うことが大切なのだ。