経験

 これまで経験したことのない日々が続く。この3か月を誰が予想しただろうか。目に見えないからこその恐れ。とにかく、マスクをして、手を洗って、消毒する。外出をできるだけ控える。そんな日々が続いている。

 4月は緊張感があった。そして、「ステイホーム」週間も意識した。しかし、それが終わると、なんだか気持ちが緩んでしまっている気がする。むしろ、この非日常が日常になってしまっているからこその「緩み」だと思う。

 もちろん、まだまだ状況としては楽観視できるものではない。けれども、どこか楽観的になっているのも事実だろう。といっても、現実は厳しい。もはや3か月前の日常を取り戻すことはできない。

 経験とはそういうものだ。経験によって、私たちは現実に意味づけをする。この経験によって、日常の見方、社会の見方・考え方が変わっていくだろう。それが経験というものだ。もはや以前を取り戻すことができない。経験の意味がどうなるか。それは、まだわからない。