シンプルに考える

 あれこれ複雑に考える。準備段階では、試行錯誤を重ねた。けれど、実際出来上がってきたものは、意外にシンプルであった。シンプルであったからこそ、ねらいに向かってストレートに進むことができた。

 それができたのも、割り切れたからだ。そして、自分なりの理屈が出来上がっていたからだ。遠回りかもしれないけれども、必要なプロセスを経て、作り上げたからこそ、わかりやすく機能したのだと思う。

 これまでの方法論が変容している。今まではネタを盛り込むことを考えてばかりいた。けれども、いかに削ぎ落としていくかが、自分のデザインの根本にある。ネタに走って表面的な盛り上がりを目指すのではなく、シンプルに機能させることを追求していくことを原点に置くようになった。

 10年近く試行錯誤してきたことから、次のステップに移ってきてることを実感する。その変容が次の10年を作っていく気がするのだ。