成長を加速させるための教科書

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入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

 書店をふらついていたら、平積みにされていて、ほかの本よりも減り具合が大きかったので、購入した。何よりも、タイトルがいい。「入社1年目の教科書」。これを新入社員や社会人1年目としないところがいい。また、色もいい。青。青の時代の教科書だからこその、スカイブルー。中身も、具体的でわかりやすく、感覚として腑に落ちるところが多い。
 筆者は、入社1年目として大切な仕事の原則を3つ示す。

1、頼まれたことは、必ずやりきる。
2、50点で構わないから早く出せ
3、つまらない仕事はない。

 以上の原則から、50のルールを導き出し、いかに仕事を通じて、加速的に成長するかを説く。

 閑話休題。「原則→ルール」というところが、予備校での授業を思い出させるから、それも読みやすさ、入りやすさを助けていると思う。それは、さておき。

 まず、仕事をやりきるのではなく「頼まれたこと」をやるきるということだ。なぜなら、仕事は基本、他人からの「頼まれごと」によって成立しているからだ。「こうしてほしい」「こうなりたい」そのニーズに対応するのが仕事のベースになる。そして、「頼まれ」をしっかりやりきることでしか、信用はうまれない。信用されれば、また「依頼」がくる。信頼されていなければ、「依頼」がこない。「依頼=仕事」が増えれば増えるほど、経験値が増える。その結果、自分が成長できる土台が築ける。頼まれたことを、やりきって信用を得ることは、自分が仕事を通じて成長していくプラスのスパイラルを生み出すのだ。
 しかし、ただやるだけではだめなのだ。そこで大切なのが、「早く出す」ことだ。そうすることで、フィードバックが返ってくる。その結果、自分のアウトプットしたものがブラッシュアップされるだけでなく、仕事を改善するための観点をより多く得ることができる。ストックとなる経験と知識は、インプット→アウトプット→フィードバック→気づきによって増えていく。いわゆる、PDCAサイクルだ。そのサイクルをスピード感を持って行うことが重要なのだ。(この点は、冨山氏の仕事論とも共通するところがあるだろう。それは、同じコンサルタントだから当然か。)
 というわけで、あらゆる仕事は自分の成長にとってプラスになる。だからこそ、「つまらない仕事はない」ということだ。言い換えれば、人生無駄ないことはないという、プラス思考なのだ。
 したがって、まず「仕事を通じて成長する」という大前提のもと、では、そのために入社1年目は何をすべきかという原則・ルールが導き出される。そして、その原則はあらゆる仕事は自分を成長させてくれる種である。ゆえに、「つまらない仕事はない」のだ。だからこそ、仕事はすべてやりきらねばならないし、そうして信用を得ることでしか、自分を成長するための次の種は得られない。そして、その成長のサイクルを加速させるために、改善のためのフィードバックをもらう機会を多く得ようということなのだ。