ぼくは、病んだ人間だ・・・ぼくは意地の悪い人間だ。およそ人好きのしない人間だ。
つまり、人間は、永遠にやむことなく、たとえ行先はどこであろうと、自分自身の道を切りひらいていくものなのだ。しかし、ほかでもないそのためにこそ、つまり、このように道を切りひらくべき使命を負っているからこそ、人間はときとして脇道へそれたくなるものであるらしい。〔…〕つまり、道というやつは、たとえ方向はどうちらへであるにせよ、とにかくほとんどつねに、どこかへ向ってつづいているものであり、大事なのは、その方向ではなくて、とにかくそれがつづいているようにすること・・・
- 作者: ドストエフスキー,江川卓
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1970/01/01
- メディア: 文庫
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