人生とは

 人生とは分からないものである。ああでもあったかもしれない。こうであったかもしれない。いわば、仮定法の連続である。が、ひとつの決断が流れをつくる。これは真実に違いない。

 後悔がないといえば、嘘になる。自分の決断と行動を肯定できるなんていえない。でも、これが現実なのだ。現実は思う通りには動かない。それだから現実だ。

 日の名残りという作品を思い出す。

 ひととの関係って本当にわからない。こうなってほしいと思う時には、こうならず。こうなってほしくない、という時にはこうなってしまう。そんな人生。それが私の人生。

 岐路に立つ。いまいち、自分にはピンとこない。かといって、止めるというわけにもいかない。言い訳を何度も、何度も言い聞かせる。でも、もう進むしかない。進めるしかない。後悔は自由の感覚なのだ。自由が今の私を揺らがす。一層、自由なんてなければ、なんて思わなくもない。

 けれども、私は現実を進めるんだ。