新生活

 新しい生活がはじまった。住む場所も、働く場所も変わり、そして新たなスタートをきった。人も環境もすべてがいままでと違う。むしろ、いままでの自分の人生の延長線上にはなかったひとつの転換点、あるいは切断ともいえる、そんな状況が新年度からはじまったのだ。
 仕事自体は、自分のやりたい方向性と一致しているので、負の感情はない。あるのは、戸惑いと不安なのだ。
 戸惑いとは、環境に対するものであるし、不安とは、仕事に対するものである。その戸惑いは、今までの経験にないものが多すぎると言ってしまえばわかりやすいのだけれども、すべてが違いすぎるのだ。ただ、救いなのは職場の雰囲気である。けれども、それは時が経つにつれて変わっていくのかもしれない。人の心というものは移ろいやすいものなのだから。大事なことは、礼であり、謙虚であり、まじめであることである。誠実さをひとつの武器にするしかないのだ。
 そして、不安は、生活と仕事である。生活環境が変わった。今まで、「都市」という「消費」に囲まれていた環境とはあまりにも違いすぎる。「生産」と「消費」がパラレルでない生活環境。それは、自立への第一歩なのかもしれない。自ら立つという事がこんなにも大変であり、考えさせるものなのか、と改めて感じる。聞こえるのは、自然の声である。ならば、傾けようではないか、内なる自然に、その耳を。
 仕事というものは、なんともおもしろいものだ。やってみたいなと思っていたことを実際やってみると、うまくいかないのだ。論理では理解しても、それを実践するとなると、やはり難しい。現実こそ、自らを磨く石である。そんなことを思うのである。その堅い現実こそ、自身を成長させてくれるに違いない。

[12読了20]
竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)

[12読了19]
竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)

 読もう、読もうと思ってやっと読み終わった青春小説。中学、高校、大学と何度もチャレンジしたのだけれども、結局積読状態に終わってしまった。しかし、今回は読み切ることができた。やはり、倒幕に向けての駆け引きがおもしろい。そして、自分は竜馬よりも中岡慎太郎に魅かれた。むしろ、竜馬よりも慎太郎の方が、維新にとって大きな損失だったのではないかと思った。むしろ、わたしが読みたいのは、慎太郎の物語なのかもしれない。