才能と持続

 最近、村上春樹のエッセイが出た。出たのは知っていたのだけども、なんかいろいろとやることが多くて、買わずじまいだった。けども、ひとつ自分のなかでけりがついたので、買って読んだ。

 やはり、村上春樹は読ませる。別に、自分は熱心なハルキストではないが(そもそもこんな言葉はあるっけ??)、彼の書く文章が好きだ。やわらかく、切り込んでいく気持ちよさ。うまくいえないが、とりあえず、自分はそんな感じの文章が好きだ。

 たしか、リズムとビートということを、柴田元幸氏との『翻訳夜話』でいっていた気がするが、きっと、自分が文章を、音楽を聴くように、読んでいく態度というのは、最初に熱心に読んだ小説が村上春樹だったからなのかもしれない。

僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。暇をみつけては、せっとくまなく磨き続けること。*1

 自分は、声高には語られないけど、ふっとしみこんでくるアフォリズムがすきだ。

*1:p.103