何を原点とするのか

 ふり返ってみると、ここ6年近くは「人間をいかに理解するのか」という問いを出発点にしていたのだと思う。人間理解と同時に「個」の理解だと思う。だが、職場が変わり、「人間」を理解するという事よりも、自身の知識と思考をバージョンアップしなければならないことに気づいた。
 いかに自分が知らなかったということを気づいたのだ。その気づきは自身のもつ表面的な、薄くそして浅はかな知識しか持ち得ていなかったのかという事を実感させた。重要なのは、もう一度、自身の知識・理解をアップデートさせることである。すなわち、再度「社会科学」に入門する必要がある。
 むろん、今の仕事にそれはダイレクトにかかわっているとは言えない。だが、自分の力量のなさはどこに起因しているのかと、新たな仕事、顧客と向き合った時に感じるのは、ベーシックな知識であり、事実認識のなさである。ディーテールを語りきれないその中途半端さに自信を失っていくのだ。だからこそ、もう一度、自身の基礎力を上げるために、少なくともこの3年は「社会科学」入門が自分のテーマとなる。
 歴史、政治、経済、地理といった本当に中高生で習ったような内容を再度積み上げていく必要があると感じる。
 それと同時に、いかに提案、プレゼンをしながら、相手とともに学習しwin-winという相互成長できるのかということも大事だ。そこでポイントは学習である。私だけでなくともに学び成長していくという意味で、学習そのもの自体にも興味がある。学習論こそ、再度見直していく必要がある。
 つまり、いま自身のテーマは「社会科学入門」と「学習論」である。たしかに、この二つは直接、今の自身の仕事の成果に反映されることはないかもしれない。だが、ダイレクトではないけれども、じわじわとにじみ出てくると思うのだ。いま新たな環境に入ることになった今だからこそ、自身の原点として積み上げ、そして磨いていく必要があるのだと最近強く思うのだ。