原点。

 ひさびさに旅行に行ってきた。学生時代の仲間と。場所は、偶然にも、みんなで最後に旅行した場所だった。

 いろんなことを思い出した。こうして、この場所で、このメンバーで集まったということだったからかもしれない。あの夏は、良くも悪くも、きっと今の自分の原点なのだとおもう。そして、あの春があって、あの夏があって、あの秋があったからこそ、いまの自分が在るのだとおもう。

 あのときに味わったいろんな思いとともに、そこで植えつけられた芽がこうして、今伸びているのかなと思う。

 目的地に着く途中、目に入る風景を見ながら、人を思い出す。今、何をしているのだろうか。なぜ、あのとき、ああいって、ああしてしまったのだろうかという後悔とともに。

 時間が過ぎるのは早い。陳腐なことばだが、やはりそのことばを実感せずにいられなかった。

 きっと自分たちは、変わっていないと思っているのかもしれないけど、やっぱり変わっているのだ。やはり、日々は更新されるのだ。その更新のなかで、もちろんターニングポイントといったものがある。それを思い出ということばでいうこともある。

 いずれにせよ、時は過ぎ行く。そして、日々は更新され、自らは成長してゆく。

 やはり、原点はそこにあったのだ。