からだと立つこと

 宮沢章夫による、演劇に関するエッセイを読んでいて、このひとらしかぬ、幕切れの一節だなと思う。それは、まるで野田秀樹の創る、詩的な幕切れのモノローグのように。

 […]いまという、社会や世界が生み出し、様々なものに耐える強いからだが、きっとどこかにあるのを私は信じています。
 あなたはそこにいる。わたしの目の前にいる。どんな、立ちかたを、していますか。
 どんなからだですか。
 あなたは、いま、そこにいる。その姿を、わたしは探しています。*1

*1:宮沢章夫『演劇は道具だ』p150-151