【14−17】ざわめき

 片付けることによって、人を呼べるようになった。そのことで、どこか人気が出るという錯覚に陥っている気がする。それは、今の自分の立場が謙虚であることよりも、傲慢になる立場へと変貌しているからからかもしれない。そして、そのことは春、夏、秋と感じていた「やるせなさ」とは程遠い、自らの存在の重さをたしかめることのできる立場にいるからだと思う。であるからこそ、自身は傲慢ではないのか、その振る舞いにどこかとげとげしさ、あるいは上から目線になっていないのかを省みる必要がある。
 省みると、やはり自らのすごさをアピールしたい、そんな惨めな自分がいるのだ。凄みというものは、滲み出るものであった、自らさらけだすことではないはずだ。ざわめきが頻繁に起こり、なかなか目の前の仕事に集中できずにいる。この落ち着きのなさは、自らの承認欲求の裏返しに他ならない。その感情の自己主張はきっとうざいはずだ。そのうざさを受け入れてもらえているのは、あくまでもそれが職場であるからだ。だからこそ、このざわめきや不遜な言動を戒めなくてはならない。信用貯金はあっというまに失われてしまうのだから。