ある勝負に向けて、ひとつの型をつくることは大切だ。それによって、集団はひとつの方向性をもって、機能していくからだ。個々がバラバラにならずに、その勝負に向けて組織させるには、たしかにそのチームのルールや原則は大事である。
けれども、その原則が実際の勝負を想定していないとしたらば、それは危うい。もちろん、ある原則を徹底することで、プレーが形となっていく。だが、勝負には相手がいる。そして、その相手が私たちの想定している動きをするとは限らない。つまり、勝負には相手がいるという事を忘れてはならないのだ。
「型」を貫くことは大事であろう。しかし、それが「型」のための「型」になってしまったら、危うい。その「型」には、相手がいるという事と同時に、相手は私たちが思っている通りに動いてはくれないということを加味しなくてはならない。
トップダウンでその「スタイル」を貫けという。けれども、実際の現場に立った経験からすると、それは形にするための「型」であって、勝負をするための「型」ではない。それをわかってはいるものの、それがわからず「スタイル」を崩すことを許さないと同時に、わたしたちに任せたという。私たちはわかっている、それでは通用しないという事を。
結果よりも過程が大事かもしれない。しかし、最善の結果を求めたうえでの過程ではないと、それは単なる自己満足で終わってしまう可能性があるという事を肝に銘じなければならない気がするのだ。実際にやってみたら、全然だめであった、その結果は見えている。しかし、変えることができず、小さなところで「スタイル」に変化を起こすしかないし、現場で変えるしかないのだ。
「スタイル」を貫け、というのであるならば、それなりの理由と根拠がなくてはならない。その主張が、信念であることは理解できる。だが、その信念に合理性がなければ、単なる「型なし」のように思えてならない。信念を持つことが大事だが、それには訂正、修正されるような議論や反省の余地を残す柔軟性を持つことが大事なのではあるまいか。
しかし、その「スタイル」を変えられないというのが、トップならば、集団は悲劇であり、それが見えているメンバーからすれば喜劇としか言いようがない。
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番組で取り上げられていた百貨店は買い物しやすく、清潔感がある。たしか調理場を見せることも大事だが、それよりも、広々とした圧迫感のない空間の中で買い物ができる心地よさを優先したのすばらしいと思う。つまり、「体感」を重んじた故にでてきた売場づくりなのだと思う。
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信じることが人を動かす。たしかに、そうである。そして、社員に決定させる。これも、理想的である。また、社長室がない。これもまた画期的である。だが、ポイントなのは、決定を行ううえでのデータやロジックは、あくまでも社長のロジックにおいて「正当性」があるということが議論の上で担保されているということである。つまり、決定は社員だが、その決定は社長のロジックによって導き出される「想定の範囲内」であるということだ。そして、社長室がなくいつ社長が入って来るかわからないという事は、いつでもどこでも仕事ぶりがチェックされるシステムだという事だ。そうしたことが「共感」というやさしさによって包まれているのだ。