ファミレスにて

 明日は、休みということもあり、夕食がてら、ファミレスで読書する。
 学生時代から、集中して読書したいときはファミレスやファーストフード店をもっぱら利用する。それが、自分にとっての至福のときである。
 今日読んだ本は、カウンセリングに関するものである。以前書いたように、近ごろはカウンセリングに関して興味があるので、やはり、それに関する本を読む。
 というわけで、今日読了した『カウンセリング心理学入門』は、日本におけるカウンセリング心理学の第一人者のひとりといってもよい國分康孝氏の著作である。本書は、臨床心理学や学校心理学といった類する学問とどう違うのかといったカウンセリング心理学の定義とその対象領域ならびに基本的な技法が述べられている。
 カウンセリングという聞くと、どうも治療的なイメージが強い。
 だが、著者によればカウンセリング心理学とは予防・開発的な側面が強いという。人間が、様々な「関係」の中で営む社会的存在であるゆえ、その関係のなかでうまく他者とやりとりをする、よりよい関係を築いていくための建設的技法・知識体系が、カウンセリング心理学なのである。それゆえ、よいよい関係性のためならば、ありとあらゆる流派・理論を折衷するという折衷主義が採られる。
 つまり、実存主義精神分析などを取り入れながら、現実と向き合うために折衷主義を採用するという方法論的態度、すなわちその体系を下支えする哲学はプラグマティズムなのであるということ、それがカウンセリング心理学の肝なのである。