講演会というか、アートディレクター佐藤可士和氏と、NHKの住吉美紀アナとの鼎談で、朝日カルチャーセンターでの「プロフェッショッナル 仕事の流儀 番外編」@新宿住友ホール。「プロフェッショナル」は個人的に好きな番組のうちのひとつ。DVDも、借りてきて何度も観ているし。
最初は、正直眠くなった。というのも、開始10分くらい、「プロフェッシッナル 佐藤可士和」の再上映で。思わず、「これ、上映会??っていうか、この映像ならDVDで何度も見たからっ!!!」と心の中でツッコミをいれてしまう。
そして、なんとなく最初の30分くらいは、なんとなく何を話したいのか、何を話しているのかなって感じで、すごく拡散して、自分自身、なんとなく会場の雰囲気も散漫な気がしてならなかった。そんなわけで、思わずこくり、こくりとしそうになっていた。
しかし、大体30分くらいすると、やはり暖まってきた感があり、非常に面白い鼎談だった。それにしても、あの鼎談が打ち合わせなしというのも、すごいと思う。個人的に、こういった講演の類はいちいちメモっていくと、せっかくの「声」や「表情」を見逃してしまうという意味で、ライブ感がなくなるので、やめている一方で、ちょっと面白いとおもったり、これはキーワードだってやつだけは軽くメモしている。そんなわけで、備忘メモをここにメモっておくと、
[備忘のためのメモ]
・デッサン・やりたいこと没入・すっきりとして出口へ・感情のあてはめ
・<演劇性>=バルブの調整&萎縮はさせない
・距離を測ることと距離の体験、つまるところ、コミュニケーションセンス。
・かたい状態でスタートしない。
・コンテンツではなくタイミング、not本質主義
・野次馬根性と不満、そしてアマチュアリズム
・身体性・体幹・自由・軸・自然
これだけ見ても、なんとなくよくわからないかも。でも、もしかして、きっとこんな内容だったのかなと推測可能かもしれない。でも、やっぱあの「ライブ」という「空気」だけは、あの「場」にいない限り味わえないと思うし、まさに、その「空気」を味わうことが、自分のリズムやテンポを上げてくれる。たぶん、言葉ではない、そういった「空気」を味わうことが、講演会という「生もの」に行くことの価値だと思う。さてさて、いかに感想を述べると、
何よりもまず、これは佐藤さんが指摘もしていたけど、茂木さんの仕切り術。かなり、「自由だなぁw」と思う司会に、率直かつ丁寧な切れ込み。自分が言うまでもないし、言うのもおこがましいけど、一体どのぐらいの回転度数なんだと思うほど、思考と読みのスピードは会場から見ていても明らかだった。
また、住吉アナの聴く姿勢はやはりアナウンサーだなと思った。「好奇心旺盛で、わからないことは何でも聞く」といったことをいっていたけど、単にそれは「問う」だけじゃなく、きちんと「聴く」姿勢があってのものなんだなと納得。両者の話に真摯に「うなづいて」いたし、ホントに「この人の話を聴きたい」という空気が溢れている。ああいった姿勢は、やっぱり人を語らせるのだなとすごく関心。
そして、佐藤さん。「素でいること」と「軸がぶれない」と本人は語っていたけど、まさに「素」だった。いや、意図がわかりにく質問には、「どういうこと??」というストレートな反応も見ていておもしろかったし。変に、人生訓や「俺の哲学」みたいな、妙な道徳くさい「語り口」になるのではなくて、非常にストレートな「語り」は聴きやすかったし、かなりの好印象でした。
やっぱ、ああいったストレートの打ち合いのような鼎談はすごく刺激的。いい芝居を観た後の爽快感にも似た味。あの空気に包まれていたのか、今日はすごく気持ちがリフレッシュしている。
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